TICA『Johnny Cliche』

TARTOWN presents Johnny Cliche

TARTOWN presents Johnny Cliche

久しぶりの新譜。TICAの音楽には冬がよく似合います。冬といってもクリスマスやお正月といった賑やかなイベントではなく、冬特有の澄んだ空気が感じられる、人気の少ない光景がいつも彼らの音楽を聴くたびに思い浮かんでくるのです。シンプルなサウンドと武田カオリの落ち着いたトーンのヴォーカルのせいでしょうか。ルー・リードの曲はもちろんのこと、オリジナルでも「エーデルワイス」でも、甘さに流れない、ほろ苦い味わいで聴かせます。極端に低音を効かせているわけでもないのに、重心が低く感じられるダビーなサウンド・デザインも含めて、ブランクを感じさせないTICAのサウンドスケープを堪能することができたのが何よりもうれしい。