レイ・デイヴィス『ザ・キンクス・コーラル・コレクション』

ザ・キンクス・コーラル・コレクション

ザ・キンクス・コーラル・コレクション

英デッカのクラシック部門からリリースされたレイ・デイヴィスの新作は、クローチ・エンド・フェスティヴァル・コーラスなる合唱団との共演による往年のキンクス・ナンバーのセルフ・カヴァー・アルバムとなりました。クラシック部門からのリリースというところに一抹の不安を感じずに入られませんでしたが、バンドと合唱団だけで演奏されており、オーケストラなどを導入して仰々しくなることは免れています。バンドの演奏はおとなしめなので、「ユー・リアリー・ガット・ミー」ではもっとパンチを効かせても良いのではと思いましたが、それ以外の曲は合唱団の厚い響きのコーラスが原曲の良さを引き出していて、聴き応えのあるセルフ・カヴァーとなっています。選曲も「デイズ」「ウォータルー・サンセット」「ヴィクトリア」など代表曲が惜しげもなく並び、後半は「ヴィレッジ・グリーン・メドレー」が待ち構えているのですから文句のつけようがありません。何より主人公であるレイ・デイヴィスのヴォーカルが若々しく魅力的なのでした。ぜひこの編成で来日して欲しいですねえ。