ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンド『ミーツ・キング・ベネット』

ミーツ・キング・ペネット(紙ジャケット仕様)

ミーツ・キング・ペネット(紙ジャケット仕様)

ノスタルジックなビッグ・バンド・サウンドにディスコ・ビートを組み合わせて大成功した1stを受けて発表された2nd。前作ではホーン、ストリングスのアレンジャーにチャーリー・カレロを起用していましたが、本作ではジミー・ハスケルが担当。前作よりゴージャスかつ野心的なサウンドでバンドのスケール・アップに貢献しています。曲の構成も一層凝ったものになり、フランス語と英語が交互に出てきたりする歌詞もあるなど、音と歌詞の双方で無国籍感を演出して、細部まで練りに練ってつくった気合のこもったアルバムとなっています。
・・・こう書くと非の打ち所のない作品と思えますが、結果として1stの方が魅力的な音楽になっているのですから残念。完成度の高い曲が揃っているのは確かなのですが、1stに収録されていた「シェルシェ・ラ・ファム/セ・シ・ボン」やサバービア界隈で再評価された「サンシャワー」のような、これぞ!といった曲が無いんですね。もっと下世話になってもいいから、思いっきりキャッチーに弾けた曲がひとつでもあれば、実験とポップが高水準で両立した無敵の1枚になったと思うのですが・・・。