メリッサ・ラヴォー『カンファー&コッパー〜ハイチと愛』

カンファー&コッパー~ハイチと愛

カンファー&コッパー~ハイチと愛

パリを拠点として活動しているハイチ系カナダ人のデビュー・アルバム。ハスキーだけどとてもキュート、しかしどこか哀しさを含んでいるメリッサの声にまず耳を惹きつけられます。サウンドは彼女のアコースティック・ギターが中心ですが、フォーク系の弾き語りとは異なるパーカッシヴな奏法が新鮮。1曲目の「鋏」はサンバとアフリカ音楽を融合させたようなギターのフレーズにタブラが加わって不思議な世界をつくりだしています。その他の曲も同様に今までありそうでなかった独自の音楽になっています。使用されているのはウクレレダブルベースアコーディオンといった生楽器中心ですが、あくまで余白を重視したつくりとなっていますので、主役のメリッサの声とギターの魅力がぶれたり薄れたりすることはありません。シンプルなつくりながらも聴く人の想像力をかきたててやまない独自の混血音楽。さりげなくエリオット・スミスをカヴァーしているところも見逃せません。

Melissa Laveaux - Needle in the hay

エリオット・スミスの95年作『Eliott Smith』に収録されていた曲のカヴァー。