チャールズ・ミンガス『ミンガス・プレイズ・ピアノ』

ミンガス・プレイズ・ピアノ

ミンガス・プレイズ・ピアノ

ベースを抱えた怒れる男が一人鍵盤に向き合って生まれたアルバム。通常のアルバムでは饒舌な印象を与えるミンガスの音楽ですが、ここでは訥々とした語り口が味わい深い。敬愛するデューク・エリントンよりもセロニアス・モンクに近いものを感じさせます。己の指先から発せられる一音一音の響きに耳を澄ませ、ときにふとメロディーを口ずさむミンガス。彼はやはりアジテーターである以前に音楽家なのだ、と再認識させてくれる愛すべきアルバムであります。