細野晴臣『銀河鉄道の夜』

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

Amazonでは1996年時のCDしか出てこないようですが、今月になって紙ジャケ&SHM−CD仕様で再発されました。同名のアニメーション映画のサントラ盤として1985年にリリースされたものですが、オリジナル・アルバムと比べても何の遜色もない名盤だと思います。もし細野のアルバムの人気投票を行ったとしたら、1位とまではいかなくてもかなり上位にランクインするのではないかと思うのですがどうでしょうか。制作時にはコシミハルの協力が大きかったと聞きますが、独特のリズムや音色感覚はやはり細野ならではのもの。透明感とぬくもりのバランスが絶妙です。強烈な自己主張がない音楽なので、まさに映画音楽の典型のようなのですが、それでいて音楽単体を取り出しても充分聴き応えあるものになっているのがさすがとしかいいようがありません。後に歌詞がつけられた「プリオシーヌ海岸」やエンド・テーマのメロディーは特別キャッチーにつくられているわけではないのに、不思議といつまでも耳に残るのです。