タイトルとジャケットに惹かれて購入。
マーキュリー・レヴは前々作『オール・イズ・ドリーム』の壮大でファンタジックな
サウンドは好きだったのですが、バンド
サウンドにシフトした前作は今ひとつ気に入るまでに至らなかったので、聴くまではやや不安があったというのが正直なところです。本作での彼らは電子音を中心とした
サウンドにシフト・チェンジ。基本的には生のアンサンブル中心でこれまできたバンドなので、古くからのファンの間では賛否両論分かれるかもしれませんが、私はこの路線は気に入りました。まさに雪が深夜に音も無く降り積もる光景を彷彿とさせるイントロが見事な「
SNOWFLAKE IN A HOT WORLD」に始まる、緩急自在なアルバム構成で一気に聴かせます。ライナーノーツに書かれているような
ミニマル・ミュージックや
フルクサスに通じる要素はそれほど感じなかったのですが、音の隅々まで気配りが行き届いた充実のポップ・ミュージックとして楽しみましたよ。
サウンド・スタイルは変われど、一貫して底に流れているバンドの美意識がしっかりと伝わってくる佳作と思います。