ロン・セクスミス『ロン・セクスミス』

RON SEXSMITH

RON SEXSMITH

ぼくは1年中ずっと「RON SEXSMITH」を聴いていた。この先20年は聴き続けられるアルバムだね。上品でエレガントな宝石のような珠玉の作品。友だちのために1枚買っておあげ。
エルヴィス・コステロ

このアルバムが紹介されたとき、決って引き合いにだされたコステロの発言から10年以上の月日が経ちましたが、確かにコステロの言葉は正しかったようです。この作品の輝きは今でも色褪せていませんし、それどころか後20年は聴き続けられそうなのですから。
郵便配達人を務めながらコツコツと書き溜めていた楽曲が、プロデューサーのミッチェル・フルームとエンジニアのチャド・ブレイクの黄金コンビの手によって、現代の音として磨き上げられ、多くの人の心を打つ90年代屈指のシンガー・ソングライターのアルバムとして届けられました。当時のミッチェル・フルームとチャド・ブレイクといえばロス・ロボスやその派生ユニットのラテン・プレイボーイズ、ルビー・ヴルームなどのアルバムで独特の質感のサウンドと斬新なサンプリングを多用したサウンド・メイキングで活躍してたのですが、このアルバムはトリッキーな要素は抑えて、ロンの歌と曲の良さを最大限に生かすことに専念。これが見事に吉と出ました。名作を多く手がけたこのコンビですが、本作は彼らにとっても間違いなく代表作のひとつとなるでしょう。