ジェネシス『ホエン・イン・ローマ...ジェネシス2007』

ホエン・イン・ローマ...ジェネシス 2007 [DVD]

ホエン・イン・ローマ...ジェネシス 2007 [DVD]

2007年のリユニオン・ツアーのヨーロッパ公演最終日の模様を収録したDVD。ローマの古代遺跡チルコ・マッシモで行われ、観客動員数が50万人というのですから驚きです。まだ特典映像やツアー・ドキュメンタリーは未見で、ライヴ本編しか見終わっていないのですが、それだけでも充分といっていいほどの出来栄えとなっております。ピンク・フロイドザ・ウォール・ツアー」やローリング・ストーンズ「ブリッジズ・トゥ・バビロン・ツアー」、そしてU2「ポップ・マート・ツアー」などのセットを手がけたマーク・フィッシャーによる巨大スクリーンと、ジェネシスのコンサートではおなじみのバリ・ライトによる創意に富んだ動画と光の乱舞。それに負けない完成度の高い演奏がガッチリかみあって、ジェネシスに少しでも興味がある人には見逃せない作品が出来上がりました。
メンバーはフィル・コリンズマイク・ラザフォードトニー・バンクスの3人に、サポート・メンバーとしてチェスター・トンプソンとダリル・ステューマーが加わった5人編成。“ピーター・ガブリエル在籍時が好きだった人からポップ路線以降のファンまでみんなまとめて面倒みよう!”的な選曲となっております。個人的には彼らの作品で一番好きな『眩惑のブロードウェイ』から2曲も選ばれているのがうれしいところで、「イン・ザ・ケージ」は前半のハイライトとなっているし、「カーペット・クロラーズ」はアンコール曲として最後の最後に歌われているのですからたまりません。フィル・コリンズのエンターテイナーぶりもこうしたステージでは映えますね。観客の乗せ方など堂に入っていますし、タンバリンを手、膝、頭で叩きまくるシーンもユーモラス。そして歌ばかりでなくドラムも予想以上に叩きまくっていて、この辺高橋幸宏にちょっと見習って欲しいです(笑)。サポート・ドラマーのチェスター・トンプソンと向かい合ってスツールを叩きあい、そこからツイン・ドラムへ移行して「ロス・エンドス」へなだれ込む後半のハイライト・シーンには興奮させられました。ただし、この再生ジェネシスの要となっているのはトニー・バンクスと見受けられます。ニコニコと芸達者ぶりを披露するフィルとそれを温かく見守っているマイクに対し、終始真剣な表情でキーボードを操るトニーの姿はそのシンセの音色と共に、プログレの風格をバンドにしっかりと刻みこんでいるのでありました。

Genesis - Mama - From When in Rome 2007 DVD

それではDVDからサンプルとして1曲。70年代の彼らの方が好きな私でもこの曲はかなり気に入っていました。

Genesis-Carpet Crawlers 99

これは1999年にベスト・アルバムのために録られたセルフ・カヴァー。なんとピーター・ガブリエルとスティーヴ・ハケットも参加!