『LOVE PEACE & TRANCE』

LOVE, PEACE & TRANCE

LOVE, PEACE & TRANCE

アンビエントにどっぷり浸っていた時期の細野が、当時同じレーベルに所属していた遊佐未森(LOVE)、甲田益也子(PEACE)、そして小川美潮(TRANCE)と組んで発表したプロジェクト・アルバムです。先行シングルで福沢もろ作「HASU KRIYA」が出たときは、一時期のジョージ・ハリスンのようなスピリチュアル・ソング集になるのかと思ったのですが、メインは細野のアンビエント曲。彼女達に関連しているdip in the poolやKilling Timeの曲もとりあげていますが、どちらかというと添え物の要素が強いです。発売当時はアンビエントをやりたい細野が無理矢理ポップ・ミュージックをつくらされてるのかな?と思ったものですが、改めて聴くと『フィルハーモニー』の90年代版といった趣がありますね。アルバムの中のヴォーカル曲の位置づけが似ているんですよ。『フィルハーモニー』からユーモアを抜いて、アンビエント色を濃くし、女声ヴォーカルを足したらこうなったという感じでしょうか(^^;)。意外と興味深く聴くことができました。今こういった女声ヴォーカルとのコラボレーションを細野がつくったらはたしてどんなサウンドになるのでしょうね。