湯川潮音『灰色とわたし』

灰色とわたし

灰色とわたし

pupaと一緒に購入したのですが、あまりの心地よさに何度もこちらばかりリピートしてしまい、なかなかpupaにたどり着けません(笑)。ドノヴァン「Voyage of The Moon」をカヴァー*1しているせいもありますが、ここでの彼女はまさにメリー・ホプキンを彷彿とさせます。それも「悲しき天使」や「グッドバイ」のそれではなくて、シンプルなフォーク・アルバム『大地の歌』のメリー・ホプキン。ミニ・アルバムやシングルではアコースティック・ポップや昭和歌謡的な音楽にもアプローチしていた潮音ちゃんですが、このアルバムでは原点に立ち返ったシンプルなフォーク・サウンドを聴かせてくれます。クマハラダをプロデューサーに迎え、ロンドン録音で制作したことが吉と出ましたね。なによりもヴォーカルが実にのびのびとしているのが素晴らしく、ライヴは別として、ここまで彼女の歌の魅力をはっきりと捉えることに成功したCDはなかったと思います。これまで相性が良いと思っていた鈴木惣一朗によるプロデュース作も、このアルバムに比べたらどことなく窮屈に聴こえてしまうくらい本作での彼女の歌は素晴らしい。アシッドな雰囲気は薄いけど、ブリティッシュ・フォークの色が濃いのも実に私好み。ジャケットをずっと眺めていたら、どことなくサンディ・デニーの1stソロそっくりに見えてきましたよ(笑)。これは現時点での湯川潮音最高傑作と言い切ってしまいましょう!

おまけ その1

アルバム収録曲のライヴ映像です。う〜ん、可愛い!もちろん歌もいいですよ(^^;)

Featured Content on Myspace
Featured Content on Myspace
Featured Content on Myspace

おまけ その2

こちらではレコーディング時のエピソードを読むことができます。

http://yukawashione.com/uk_diary/index.html

おまけ その3

ちなみにサンディ・デニーのジャケットはこちらです。
海と私のねじれたキャンドル+4(紙ジャケット仕様)

*1:オリジナルはドノヴァンの名作『HMS DONOVAN』に収録。メリー・ホプキンは1stアルバム『ポストカード』でカヴァーしています。おそらくプロデュースを手がけたポール・マッカートニーの選曲ですが、メリーも気に入ってたんじゃないかな?