ARIA The ORIGINATION ピアノ・コレクションII「ディパルテンツァ-旅立ち-」


最近ベーゼンドルファー・インペリアルを弾かれたという、くりたぬきさん(id:yuki-731)の日記を読んで聴きかえしたアルバムで、最近の就寝音楽でもあります。原作もアニメも綺麗な終幕を迎えた「ARIA」の音楽をピアノ・アレンジした企画盤。「ARIA」シリーズの音楽全体のコンセプトは“泣きたくなるほど幸福な音楽”というもので、本編ではショーロ・クラブが見事にそれを形にしたのですが、このアルバムもそのコンセプトをしっかり受け継いだ、単なる企画物の域を超えた質の高い作品となっています。曲によって3人の演奏者を使い分け、それぞれが演奏したピアノの機種をちゃんとブックレットに記載しているこだわり様で、ちなみに紹介しておくと、妹尾武は“STEINWAY & SONS CONCERT GRAND Model-D”、窪田ミナが“BOSENDORFER IMPERIAL_FLUGEL MODEL290 ”そしてSONORUSが“STEINWAY & SONS NEW YORK Model-B”です。同じスタインウェイでもハンブルク・モデルとニューヨーク・モデルを使用しているところに制作陣の気合を感じますね(笑)。3人とも決して華美なテクニックを披露しているわけではなく、曲の良さをストレートに伝えることに専念している編曲・演奏なのでかえってピアノの響きの美しさを純粋に味わえます。上質なBGMとして聴き流すのもよし、三者三様のピアノの音色を聴き比べるのもよし、と何かと便利な一枚です。