Spring Selection 2008

去年は“ガール(アイドル)・ポップ”というくくりで季節毎にセレクトをつくっていましたが、今年はノン・テーマでのびのび選曲してみようと思い選んでみたのがこのセレクトです。これまで取り上げたことがなかったヒップ・ホップのジャンルを交ぜてみたのが新趣向かな。

1.Martha My Dear / George Winston

ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア~ビートルズ作品集

ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア~ビートルズ作品集

ウインダム・ヒル・レーベルを代表するピアニストによるビートルズのカヴァー。色々凝ったアレンジも考えたけどやっぱり原曲通りが一番いいよね、と悟ったかのような演奏で大変好感がもてました。

2.リンゴ日和 〜The Wolf Whistling Song / ROCKY CHACK

リンゴ日和

リンゴ日和

以前サントラを取り上げたアニメ「狼と香辛料」のエンディング・テーマ。最初耳にしたとき「マーサ・マイ・ディア」を連想したので続けてみました。口笛の響きも軽やかな春らしいポップ・ソング。

3.You Make Me Feel So Free / Van Morrison

Into the Music

Into the Music

個人的に『アストラル・ウィークス』や『ムーンダンス』に匹敵する名盤だと思っている1979年作『イントゥ・ザ・ミュージック』収録曲。弾むようなピアノのリフに乗せて快調に歌うヴァンのヴォーカルがなんといっても魅力的です。

4.When The Weather Fades / Pat D & Lady Paradox

カインド・オブ・ピース

カインド・オブ・ピース

最近ハマリつつある、メロウなヒップ・ホップから選んでみました。英国出身のフィメールMC、Lady Paradoxと、同じく英国出身のトラック・メイカー、Pat Dによるユニットで、ピアノを巧みに生かしたトラックが数多く収録されているアルバム『Kind of Peace』中の曲です。アルバムの中ではやや辛口の方ですが、ジャジーな雰囲気をうまく生かした音づくりですね。

5.Easy / Sally Oldfield

イージー(紙ジャケット仕様)

イージー(紙ジャケット仕様)

サリー・オールドフィールドの2ndアルバム『イージー』のタイトル・チューン。彼女には珍しいややジャズっぽい曲でゆったりとしたスイング感が心地よい。彼女が歌うジャズ・スタンダード集なんてあれば面白いかも、と思わせる曲です。

6.Flying Start / Mike Oldfield

アイランズ(紙ジャケット仕様)

アイランズ(紙ジャケット仕様)

姉弟つながりです(笑)。1987年作『アイランズ』に収録されているポップ・ナンバーでヴォーカルをとっているのはケヴィン・エアーズ。マイクは昔ケヴィンのバンド「ホールワールド」に在籍していたことがあるので、この曲の歌詞にも「ホールワールド」という言葉が出てきます。後にケヴィンも自分のソロ『スティル・ライフ・ウィズ・ギター』でこの曲を取り上げています。

7.Call Me Mellow / Tears For Fears

Everybody Loves a Happy Ending

Everybody Loves a Happy Ending

2004年、16年ぶりにローランド・オーザバルとカート・スミスにより再結成して発表したアルバム『エヴリバディ・ラヴズ・ア・ハッピー・エンディング』収録のどこかXTCを思わせるポップ・センスが光る曲。このアルバム、全盛期に勝るとも劣らない出来栄えだと思うのですが、あまり日本では話題になりませんでしたねえ・・・。

8.Behind The Mask / Anonymass

anonymoss

anonymoss

YMOのメンバーともたびたび共演している権藤知彦率いるグループによるYMOカヴァー集から選びました。浮遊するような無国籍アンサンブルがユニーク。

9.Organic Chemistry / Starving Artists Crew

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再びメロウなヒップ・ホップから。ここでのピアノはかなり耽美的ですね。そこに塩辛いラップが絡むところが面白い。

10.Gonna Take A Miracle / Tomorrow's People

サバービア・サウンド・システム・フォー・イブニング・ラヴァーズ

サバービア・サウンド・システム・フォー・イブニング・ラヴァーズ

マッド・プロフェッサー主宰のアリーワ・レーベルがダブと並んで得意とするラヴァーズ・ロック。シャキッとした感触のサウンドとなんとも涼しげな女声ヴォーカルがもたらす心地よさが格別ですね。さりげなく入るコーラスも良い。オリジナルはロイヤレッツですが、有名なのはローラ・ニーロによるカヴァーでしょう。

11.Once Upon A Time There Was An Ocean / Paul Simon

ポール・サイモンブライアン・イーノと組んで発表したアルバム『サプライズ』から選びました。なるほどイーノならではの音づくりですが、メロディーと歌いまわしは変わりようもないサイモン節なので安心して聴くことができますね。

12.Pilgrim's Progress / Procol Harum

私はビートニクスの2ndアルバムのカヴァーでこの曲を知りました。プロコル・ハルムの3rdアルバム『ソルティ・ドッグ』を締めくくる佳品です。プロコル・ハルムのトレードマークともいえるオルガン・サウンドを担っていた初期のメンバー、マシュー・フィッシャーによる曲で歌もバンドのリード・ヴォーカリストゲイリー・ブルッカーではなくてマシュー本人が歌っています。ビートニクスのヴァージョンは幸宏の切々とした歌唱が忘れがたいですが、オリジナルのやや生硬な歌いまわしも慣れてくると味わい深いものがありますね。