ツィマーマン(p)、ブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団『ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調』

ラヴェル:ピアノ協奏曲

ラヴェル:ピアノ協奏曲

のだめカンタービレ」20巻を購入した方でまだこの曲を聴いたことがない方がいるならばすぐにCDショップに飛んでいくべし。ラヴェル得意の洗練されたエキゾティズム感覚とジャズの要素も取り入れられた弾むような楽想を持った曲で、作中で黒木くんが言っているようにまさにのだめにピッタリな曲です。別にこのツィマーマン盤である必要はなくて、のだめのイメージを求めるならアルゲリッチ盤の方がぴったりかもしれないし、新しいところではユンディ・リ盤もあります。もちろんかねてから評価の高いフランソワ盤も忘れてはいけませんし、他にもいろいろ名盤には事欠きません(オクレール盤はどんな演奏か聴いてみたい・・・)。
このツィマーマン盤はややスイング感に欠けるものの、かつてストラヴィンスキーラヴェルの曲が精巧につくられていることを評して「スイスの時計職人」と呼んだことが納得させられる精緻きわまりない演奏。オケ、ピアノとも輝きのある音色を放ち、美しさにも溢れています。オケのみの「高雅にして感傷的なワルツ」を挟んで「左手のためのピアノ協奏曲」も収録されており(オケはロンドン交響楽団」、こちらもスケールの大きな名演です。