一柳慧作品集

一柳慧作品集

一柳慧作品集

忘れていた頃に復活するこのレヴュー・シリーズですが、今回は一柳慧です。
ジョン・ケージに教えを受けて帰国し、日本に<ケージ・ショック>を巻き起こしたり、スティーヴ・ライヒ作品をいち早く日本初演したりと、前衛の旗手というイメージが強い人ですが、このCDはそのような知識を抜きでも充分に聴かせる一枚。特にヴァイオリン協奏曲「循環する風景」がすごい。親しみやすい曲想ではありませんが、徒に難解なものではなく、終始緊迫感に満ちて聴く者をひっぱっていく作品です。“熱い”音楽が好きな人には自信を持ってお勧めできる一曲。残りの2曲はティンパニ独奏曲「リズム・グラデーション」とマリンバ独奏曲「森の肖像」どちらも奏者・菅原淳の妙技が堪能できます。