フランス生まれの異能ギタリストの目下のところ最新作。前作は
ソニー・シャーロックのカヴァー集だったのですが、このアルバムはなんと
カイリー・ミノーグの数々のヒット曲をギター1本で奏でるという試みに挑戦しています。音響的なアプローチや
フリー・ジャズ的な
アヴァンギャルド寄りのアプローチなど、なんでもこなせる人なので、さてどうなるものかと思いきや、奇を衒わずシンプルに曲の良さを引き出すことに徹しているのでした。派手さを抑えた楚々とした演奏から、きらびやかなヒット曲に潜んでいた哀しみが静かに浮かび上がってくるように感じられます。