ジャン・ワン&イョラン・セルシェル『メモリー ―夢想―』

memory

メモリー~夢想~

メモリー~夢想~

もちろんどちらのアルバムも単純なイメージにおさまらないのは承知の上ですが、昨日取り上げた趙&大萩のアルバムが“剛”ならばジャン・ワン&セルシェルのこのアルバムは“柔”となるでしょうか。趙&大萩のアルバム同様、ヴィラ=ロボスやピアソラといった南米の作曲家を取り上げる一方、フォーレ「夢のあとに」やシューマントロイメライ」といったポピュラーな小品で優しい歌心を披露。さらにロンファ・リュウシベリウスの隠れた佳曲も選曲するなど2人のセンスの良さが光ります。エキゾティズム、親密さなどチェロとギターの織り成す多彩な世界を肩肘はらずに楽しませてくれる、小粒ながらも豊かな輝きを放つ愛すべきアルバムですね。