ザキール・フセイン他『インド古典パーカッション―超絶のリズム』

インド古典パーカッション 超絶のリズム

インド古典パーカッション 超絶のリズム

ジョン・マクラフリンが結成したグループ、シャクティへの参加によって、ポピュラー音楽ファンにはラヴィ・シャンカールに次ぐ知名度があると思われるタブラ奏者、ザキール・フセイン。このアルバムは全曲パーカッションのみで演奏されていて、ザキールをはじめとするインドのパーカッショニストの技巧がこれでもか、というくらい堪能できる一枚となっています。“超絶のリズム”というタイトルに偽りも誇張も無し。
タブラ・ソロ「エクタール」は12拍子。壷状の楽器、ガダムと蜥蜴の皮を用いたタンバリン、カンジーラのデュオ「カンダ・チャプー」は5拍子。4種のパーカッションによるアンサンブルは7拍子の「ミシュラ・チャプー」と8拍子の「アーティターラ」を収録。どれも淀みない高速ビートで演奏されます。リズムがどんなに高速で複雑でもカオティックな印象を全く感じさせないことには驚嘆するしかありません。音量を上げて聴いているとビートの粒が体中に降りかかってくるような快感に包まれます。
最後の曲はザキールによるタブラ・デモンストレーション。解説つきでタブラの様々な音色、奏法を実演してくれています。パーカッション好き必携の名盤ですね。