谷啓『ハラホロ・ワールド』

ハラホロ

ハラホロ・ワールド

ハラホロ・ワールド

部屋の整理をしていて発掘した1枚。1992年に発表されたオリジナル・アルバムです。久々に聴きかえしてみたら、サウンドにやや時代を感じましたが今でも充分楽しめました。クレージー・キャッツ時代の代表曲「愛してタムレ」のリメイクを除けば全て新曲。そのうちの1曲「お料理ラグ」は当時谷が率いていた「谷啓とスーパーマーケット」による演奏となかなか気合の入った制作だったことがわかります。新曲をてがけたのは久米大作仙波清彦の“はなわ”コンビと宮川彬良。久米&仙波組の曲では伝統邦楽と沖縄音楽が強引にミックスされた「アイヤ・ハラホロ」が白眉(これは作・編曲とも仙波の単独作)。谷のホラー映画趣味を反映させた「怪奇ラップ現象」*1もユニークです。そして宮川曲では彼の得意とする華やかなブラス・アレンジが全開のラテン・ナンバー「今宵カリビアン・ショー」がさすが「マツケン・サンバⅡ」の作者と思わせる見事な仕上がり。こっちの方が2年程早いので「マツケン・・・」のプロトタイプといえるかもしれません。主役の谷もおおらかな歌いっぷりで元気なところを見せてくれます。「ビローン」「ムヒョー」といったおなじみのギャグも出てくるし、もちろんアルバムを締めるのは渾身の気合が入った(?)“がちょーん”。歌詞カードによると“がちょーん”とは「空気穴(真空状態)を作り、その場に居合わせた者達を撹乱する」というものだそうな。


ちなみにWikipediaにはがちょーんの起源が記されていました。真偽は不明ですがそう言われると「なるほど」と思いますね〜。
谷啓 - Wikipedia

*1:これも仙波の単独作