米澤穂信の2冊

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

最近橋本治の新書を続けて読んでいたのですが、何か気分転換に軽いものを読みたいと思い、以前めんちかつさん(id:nota10)が日記で「夏期限定・・・」を取り上げていたことを思い出して購入。
高校生になって「小市民」となることを目指して互いに協力しあう関係にある小鳩くんと小左内さんが、心ならずも巻き込まれる日常の小事件を解決していくシリーズです。「春期限定」では小鳩くんが「小市民」を目指す理由は早い段階でわかってくるのですが、小左内さんの方の理由がなかなかわからず、わかったときが物語のクライマックスと重なるという構成が面白い。そして続く「夏期限定」は「春期」で築かれたキャラクターに対する読者の認識が作品全体のしかけにつながる・・・と軽いタッチで書かれていながらも、なかなか考えられた作品で楽しく読めましたよ。続きを期待させるエンディングも巧み。