伊福部昭『七ツのヴェールの踊り―バレエ・サロメに依る』

huraibou2007-02-07

七ツのヴェールの踊り ― バレエ・サロメに依る~伊福部 昭 作品集

七ツのヴェールの踊り ― バレエ・サロメに依る~伊福部 昭 作品集

1948年に作曲したバレエ音楽サロメ」から2つの主要な場面を抜き出し、二十五弦筝のために編曲したのがこのアルバムに収録されています。オーケストラで演奏される原曲は伊福部の代表的なバレエ音楽として名高いですが、この二十五弦筝版も決して原曲にひけをとらない出来栄えとなっております。
筝はもともと十三弦の楽器ですが、更なる表現力を求める奏者達によって十七弦筝や(十七弦筝だけで制作された八木美知依の名盤『セヴンティーン』は必聴です!)二十弦筝、二十五弦筝が開発されてきました。この伊福部作品では二十五弦筝が2台使われており、その複雑な絡み合い、音響の豊かさも魅力のひとつとなっております。音楽だけでも充分に楽しめるのですが、「サロメ」というエキゾティックかつ官能的な題材に「和」の響きと伊福部ならではのリズムが添えられたとき、どのような化学変化が生ずるのか―これはいつか踊りつきで見てみたい音楽ですね。