ストラスブール・パーカッション:クセナキス「プレイヤード」

クセナキス:プレイヤード

クセナキス:プレイヤード

クセナキスの作品が1050円で買えるなんて、いい時代になったなあ*1(笑)。
ヤニス・クセナキスは現代音楽を代表する作曲家の一人。高橋悠治が彼に師事した時期もあり、武満徹とも親交があったなど日本とも縁が深かった人です。2001年に亡くなりましたが、電子音楽作品がノイズ・ミュージックの先駆的存在として再評価されるなど、未だに影響を与え続けている作曲家です。とはいえ、多作な人で作品の形態もオーケストラから器楽、コンピューターまでと幅広いので彼の全貌が明らかになるのはまだまだこれからといえるのではないでしょうか。
今回とりあげた「プレイヤード」はクセナキスの中では比較的聴き易い作品で、パーカション・アンサンブルの曲です。タイトルは“プレイアデス星団”からとられたもので、演奏しているストラスブール・パーカッションの6人のメンバーにちなんだものだとか。作品は全部で4つの部分に分かれ、「混合」「金属」「鍵盤」「太鼓」と使われる打楽器の種類がそのまま名称としてつけられています。この曲のためにつくられた巨大鉄琴“Sixxen”などを駆使して生み出される響きは、ガムランや日本の祭囃子などを思わせることもしばしば。いわゆる西洋的な響きとは遠く離れたところにありながら、それらの音素材を強靭な西洋的知性で再編集しているような曲だと思います・・・なんて書くと硬い感じになっちゃいますが、先にも書いたように聴き易い曲だと思いますよ。いきなり「メタスタシス」とか「ペルセポリス」を聴くよりはこちらの方が入門としては適していると思うので、購入しやすい価格で販売されるのは歓迎ですね。
カップリングの 石井眞木「コンチェルタンテ 作品79〜マリンバと6人の打楽器奏者のための〜」も聴き応えあり。

*1:もしかしたらナクソス辺りでとっくに出ているかもしれませんが・・・