スパークス『官能の饗宴』

官能の饗宴

官能の饗宴

まだスパークス・ライヴの余韻に浸っているので(笑)、今日もスパークスを取り上げます。本作は95年に発表された、前作から実に6年振りの新作となったアルバムです。当時はとっくにグループは自然消滅したものだとばかり思っていたのでうれしい不意打ちでした。ペットショップ・ボーイズを連想させるユーロビート路線のサウンドにはそれほど新味を感じなかったものの、曲調やウイットに富んだ歌詞にはまぎれもなくスパークスの刻印が記されていることに安堵したものです。
今回の公演でも歌われた「When do I get to sing “My Way”」はドイツでスマッシュ・ヒットを記録し、90年代以降の彼らの代表曲となりました。この曲では「いつかシナトラやシド・ヴィシャスの気分が味わえるんだろうか」と歌われていますが、他にも「(When I kiss you)I hear Charlie Parker Playing」や「Tsui Hark(featuring Tsui Hark & Bill Kong)」といったように実在の人物を織り込んだ曲が目立つのも本作の大きな特徴といえるでしょう。中でも白眉は“世界が恋したピアニスト”リベラッチを取り上げた「The Ghost of Liberace」。歌詞の目のつけどころといい、オペラチックなメロディといい、正にスパークスの魅力が凝縮された佳曲と思います。

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リベラーチェ - Wikipedia



★「When do I get to sing “My Way”」PV