マクドナルド&ジャイルズ『マクドナルド&ジャイルズ』

Mcdonald & Giles [HDCD]

Mcdonald & Giles [HDCD]

キング・クリムゾン周辺のアルバムでは最高の一枚だと思います。イアン・マクドナルドとマイケル・ジャイルズによるプログレッシヴ・ジャズ・フォーク。
ごく初期のキング・クリムゾンはライヴでドノヴァン「ゲット・ザイ・ベアリングス」をカヴァーしていたことがあるなど、かなりフォーキーな一面も持ち合わせていたのですが、その部分を担っていたイアン・マクドナルドによる牧歌的な楽曲に、繊細な歌心をもつジャイルズのドラムが立体感と柔軟さを加えていくコンビネーションの妙。ジャイルズのドラミングは叙情的な曲でもやたらに手数が多いのに全然邪魔に聴こえないのがすごいです。
大曲も収録されているけれど、キング・クリムゾンのようながっちりした構築性はあまり感じられません。そのかわり、曲想に応じてしなやかにサウンドの陰影が変化していく様がこのユニットの面白さでしょう。フォーキーなイアンとジャジーなジャイルズのセンスがこのうえなく幸福に結びついて生まれた音楽。発表当時の1970年という時代を感じさせながらも、今なお新鮮に響いてくるところも多くて飽きさせません。

関連リンク

<過去の日記から>
・似たようなことをクリムゾンがやるとこうなる・・・って感じ。ピート・シンフィールド在籍時最後の作品。
http://d.hatena.ne.jp/huraibou/20050823

・ある意味カンタベリーに通じるところもあるかも?
http://d.hatena.ne.jp/huraibou/20040925