ミルト・ジャクソン『ミルト・ジャクソン』

ミルト・ジャクソン

ミルト・ジャクソン

ヴァイブシリーズ第3弾。
MJQ結成前夜の若きミルト・ジャクソンブルーノートに残した1枚。1948年と51年に行われたセロニアス・モンクのリーダー・セッションからの曲と52年に行われたミルトのリーダー・セッションからの曲がまとめられています。
52年のセッションは後年のMJQのメンバーにサックスのルー・ドナルドソンが加わったもの。代表曲「バグス・グルーヴ」の初演も聴けます。叙情的な「リリー」はドナルドソン抜きということもあり、MJQのプロトタイプともいうべき仕上がりに。ドナルドソンはアップテンポの「オン・ザ・シーン」で好調なブロウを聴かせてくれます。
一方モンク・セッションでは「クリス・クロス」「エヴィデンス」「ミステリオーソ」といったモンク・クラシックがたっぷりと聴けます。モンクもミルトも既にこの当時から自分のスタイルを確立していたことが良く分かりますね。モンク独特の間をとるピアノも、ミルトの滑らかに転がっていくフレージングも後年とほとんど変わっていません。
歴史的な記録というだけではなく、ファンなら他の代表作と同様に楽しめる一枚となっています。