V.A『JET LAG“CARIBBEAN TREASURES”』

huraibou2006-07-04

カリプソ・・・ヴァン・ダイク・パークス『ディスカヴァー・アメリカ』でその魅力を知った方も多いと思います。私もその一人。とはいえその後はマイティ・スパロウをヴァン・ダイクつながりで聴いたりはしたものの、なかなかそこから先へ踏み込めずにいたままになっていました。
今回取り上げたのはそんな私にうってつけの好アンソロジー山名昇が監修した、カリブ海の音楽を紹介するコンピレーション・シリーズ『Jet Lag』の一枚で、山名自身が選曲を担当しています。30年代から50年代にかけての曲でまとめられた、ヴィンテージ・カリプソ集でヴァン・ダイクがカヴァーした「ビング・クロスビー」のオリジナルや日本のバンドのグループ名のネタとなった「スライ・マングース」が収録されているのが、門外漢にも優しいところですね。ほとんど未知に等しい音楽に接するとき、些細なことでも何らかのとっかかりがあるのはありがたいです。
全体の印象は“おおらかな小唄集”といった感じ。ジャズとラテンがゆるやかに溶け合った、どこかほのぼのとしたグルーヴと管楽器のまろみのあるアンサンブルが心地よいです。ヴォーカルもウイットと野暮ったさがいい塩梅にブレンドされています。聴いているとせこせこした気分が吹き飛んでリラックスできますよ。

収録曲の試聴はこちら↓で出来ます。ヴァン・ダイク・パークスのファンはぜひ「ビング・クロスビー」を聴き比べてみてください。

http://www.neowing.co.jp/detailview.html?KEY=KICP-1131