久保田麻琴『KAUAI March-05』

KAUAI March-05

KAUAI March-05

自然音と、人工音と、楽器音と、歌音が、こんなに見事に共生しているのは聞いた事がない。眼前に広がるリアルに聞き入って、これはカウアイに行って来たという事にしてしまおうと思う。24bitの波の音をお土産に
鈴木慶一の推薦文)

まったくもって鈴木慶一の言うとおり。これを聴いておけばカウアイに行った気分なること間違いなしの「旅のスケッチ」アルバム。ハワイの島々の中でもカウアイ島はグレアム・ナッシュやトッド・ラングレンアメリカ本土から移住しているということで音楽ファンにはなじみがある島ですが、久保田麻琴もこの島に惹きつけられた一人です。中でも彼の関心をひいたのはワイメアという町で出会った、ハワイ語で歌われる賛美歌の響き。そのワイメア・ハワイアン・チャーチを中心に、彼自身のギターやライ・クーダーとの共演で知られるスラック・キー・ギターの名手ギャビー・パヒヌイの息子、シリヌ・パヒヌイなどの演奏を交えて制作されたのがこのアルバムです。ほとんどの曲が教会、公園などでフィールド・レコーディングされているのが特徴。森の音や波の音もそこかしこで聞くことができます。その自然のアンビエンスに開放感のあるスラック・キー・ギターのアルペジオが溶け込み、飾り気のないワイメア・ハワイアン・チャーチの歌が聴こえてくるのは実に心地よくてたまりません。これをかけている間は部屋の中はカウアイ島になる。下手なクーラーは敵わない、極楽音空間演出盤です。