スパークス『プレイジャリズム〜盗作の世界〜』
- アーティスト: Sparks
- 出版社/メーカー: Oglio Records
- 発売日: 1998/09/22
- メディア: CD
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まず耳をひくのはトニー・ヴィスコンティのストリングス・アレンジが施された数曲。彼等のオペラティックな側面がわかりやすく伝わってきます。最近のアルバムで聴かれるサウンドのヒントとなっているかもしれません。その他、得意のユーロ・ビート色を強めたアレンジや、モダン・ポップ風に味付けされたナンバー、ちょっとディキシーっぽい雰囲気を持ったナンバーなどで楽しませてくれますが、目玉となっているのはゲストを加えたナンバーです。まずはフェイス・ノー・モアをゲストに招いた「This Town Ain't Enough For Both Of Us」と「Something For The Girl With Everything」。スパークス史上最もハードなサウンドに、ラッセル・メイルのファルセットとマイク・バットンのドスの効いた低音ヴォイスが絡み合うのが何ともストレンジな感触をもたらしクラクラしますね。イレイジャーを招いた「Amateur Hour」も聴きのがせません。
アルバムのラストは、ジミー・ソマーヴィルとジョイントして「The No.1 Song In Heaven」〜「Never Turn Your Back On Mother Earth」。この2曲の流れは最近のライヴでも取り入れられています。今度の来日でも期待できますね。こうしてみると、このアルバムは単なる企画モノに終わらず、現在の彼等の活動につながる萌芽を見出せる重要な位置にある作品といえます。