ステファン・グラッペリ『5月のミル』

この人とトゥーツ・シールマンスは良い意味でいつも変わらない。どの時代の録音を聴いても快適で、スインギーで、ひとつまみの哀愁があって・・・音楽の歓びが一音一音からこぼれてくる様が目にみえるようです。
このアルバムはルイ・マルの映画のサウンドトラックですが、晩年のステファン・グラッペリのレギュラー・グループによって演奏されており、独立したアルバムとして充分鑑賞に堪えるものとなっています。艶やかで明るい、グラッペリのヴァイオリンの軽快な演奏がもちろん存分に味わえます。こういう音楽は難しいことを考えずに、ただ耳を傾けているだけで幸せになれますね。