高橋アキ「ためらいのタンゴ―タンゴ・コレクション 1890-2005」

曲目はこちらを見てください。かつての彼女のアルバム『ハイパー・ビートルズ』シリーズのタンゴ版といえるアルバムです。クラシック〜現代音楽系の作曲家による“タンゴ”と名づけられた曲を集めたものです。
まずはアルベニス、バーバーで優雅にスタート。アルヴィン・カラン、マイケル・サール、ナンカロウと進むにつれて徐々に“タンゴ”らしさが崩れていきます。そして三宅榛名近藤譲西村朗・・・と続く邦人作曲家の作品で最も解体が進んでいきます。AYUOの「ユーラシアン・タンゴ」シリーズからの3曲で折り返しへ。ようやく登場のピアソラストラヴィンスキー、ヴォルヘ、ミヨー・・・と前半と対照的に時代を遡っていく構成になっているのが上手いところ。そして最後はサティで終わるのが心憎いですねえ。高橋アキの演奏はどの曲でも品のよさとエスプリを失わない見事なもの。三宅榛名「北緯43度のタンゴ」をこんなに優雅に聴かせるなんてすごいです。