ジャッキー・マクリーン「スイング・スワング・スインギン」

スイング・スワング・スインギン

スイング・スワング・スインギン

先日惜しくも他界したジャッキー・マクリーン。訃報に接したときCD棚をあさったのですが、本人のリーダー作は思った程持っていませんでした。それでも彼の名前は私にとって忘れがたいものです。サイドマンとして参加しているマル・ウォルドロン『レフト・アローン』、ソニー・クラーク『クール・ストラッティン』、チャールズ・ミンガス『直立猿人』、ティナ・ブルックス『バック・トゥ・ザ・トラックス』などの名盤を通して、彼のあの節回しやトーンには昔から親しみを覚えていたのです。ちょっと上ずり気味な音程も含めて、すぐ耳にしただけでそれと分かる個性の持ち主でした。



私の数少ない手持ちのリーダー作から1枚選ぶなら59年録音のこれです。タイトルとジャケットが全てを物語っていてほとんど付け加えることなんてないのですが、スタンダード・ナンバーを中心にジャッキーが吹きまくるアルバムです。脇を固めるのはピアノにウォルター・ビショップJr.、ドラムがアート・テイラー、ベースがコルトレーンの60年代黄金カルテットを支えたジミー・ギャリソンという顔ぶれ。これでスイングしなかったらどうかしてる!といいたい面子です。60年代にはフリーにも接近していくジャッキーですが、どの時代にも彼の演奏には歌心がありました。このアルバムはその歌心を最もわかりやすい形で示している名作だと思います。