ソフト・マシーン「5」

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昨日の記事を書いた後、エルトン・ディーンの訃報に接しました。ただ残念としか言えません。まだ61歳でしたか・・・。


ソフト・マシーンにとってロバート・ワイアット脱退後初となるアルバムが本作「5」。前半の3曲のドラムスがフィル・ハワード、後半4曲がジョン・マーシャルというやや変則的なアルバムですがソフト・マシーンが最もジャズに接近した作品といえます。そしてワン・ホーン・カルテットの編成となったここでのソフト・マシーンの主役はエルトン・ディーンといっていいでしょう。サックスだけではなくエレピも担当して大活躍です。
渋すぎるジャケットのせいもあってソフト・マシーンの諸作の中では地味な印象を与えがちですが、後半のフリー・ジャズ色濃いエルトンのサックスとそれを煽るジョン・マーシャルのドラムのコンビネーションはかなり熱い。ただ、マイク・ラトリッジのキーボードとヒュー・ホッパーのベースは終始クールなスタンスを取っていて、その関係が他のジャズ・ロックとは一線を画す本作の複雑な味わいをもたらしています。
本作後エルトンはグループを脱退。グループはカール・ジェンキンスを後任に迎え大きく変化していきます。過渡期といえる貴重な時期に残されたこの作品、私にはビートルズの「ラヴァー・ソウル」に通じるものをなぜか感じるのです。


エルトン・ディーンのご冥福を心よりお祈りいたします。