ブールー「13イヤーズ・オールド・ジャズ・センセーション・フロム・フランス」

今年の2月に「フィンガースナッピン・ミュージック」と題されて、アラン・コープランド・シンガーズやサボティラ・パンチといったご機嫌な音源がリイシューされて、音楽仲間界隈でも話題になっていましたが、その続編が今月になって登場しました。
今回はジャイヴ系に的を絞った感じで、ルイ・ジョーダンやジョニー・ナッシュといった辺りが復刻されているのですが*1、今回取り上げたのもそのシリーズからの作品です。長いタイトルの通り、主役は当時13歳だったブールー。彼がギターを弾きまくりながら、ユニゾンスキャットをつけるという内容です。
ジャケットを見てるとまだまだあどけない感じがありますが、曲によってはなかなか堂に入った演奏とスキャットを披露してくれます。その一方、なんだか一杯一杯な感じが微笑ましい「マック・ザ・ナイフ」など不安定な部分もありそのギャップが楽しい。子供特有のキュートさをストレートに伝えているのは、トゥーツ・シールマンス作の名曲「ブルーゼット」。冒頭で歌っている部分がいいんですねえ。中間でのスキャットもなんともチャーミングです。
こんな楽しいアルバムのアレンジを担当したのは、アラン・ゴラゲール。めりはりのある、パンチの効いたホーンセクションなどで主役を盛り上げたり、「イパネマの娘」ではフルートを生かしたお洒落なアレンジを施すなど様々な工夫をこらしています。アルバムがキワモノに終わらなかったのは、彼の貢献によるところが大きいといえるでしょう。