マリオ・ブルネロ「アローン」

マリオ・ブルネロ 「アローン」

マリオ・ブルネロ 「アローン」

1986年のチャイコフスキー国際コンクールに優勝して脚光をあびた気鋭のチェリストが2002年に発表した意欲的なアルバム。
タイトル通りチェロのために書かれた無伴奏の作品を集めたものですが、全て現代音楽の作曲家によるものです。収められた曲は、

というもの。おそらく一般的な知名度はほとんどないと思われる曲ばかりです。冒頭の「アローン」を除けば、20世紀の前半に書かれた曲で構成されているのが特徴。ブルネロの堂々とした弾きっぷりと技巧は見事なもので、その深々とした音色はこれらの曲に古典的な風格を与えているといっても過言ではないでしょう。耳慣れない曲が並ぶのに退屈させません。
チェロの無伴奏の作品というと、どうしてもバッハやコダーイだけに目がいきがちなんですが、それ以外にも魅力的な作品はたくさんあるのだ、と私の蒙をひらいてくれたアルバムです。スタイリッシュなデザインのジャケットもいいですね。