キーラ「ルナパーク」

Luna Park

Luna Park

アイルランドの暴れん坊集団、現在のところスタジオ盤最新作。最近は矢井田瞳のアルバムにも参加しているそうで、日本でも知名度が少しづつ上がってきてるとしたらうれしいことですね。
キーラはローナン、カラム、ロッサのスノディ3兄弟を軸にした7人編成のバンド。ティン・ホイッスル、フルート、フィドル、ボーランといったアイルランドの伝統楽器によるアンサンブルに、ファンクやアフロ・ビート、ラテンなどのタフなビートを合体させた強力なサウンドが特徴です。実験的な臭いがなく、常にバンドならではのグルーヴを感じさせるのが魅力的で、ワールド・ミュージック以外のファンも惹きつける要素を充分に兼ね備えているといえるでしょう。このアルバムでは9分以上の大曲が3曲もあるのですが一気に聴かせるパワーに満ちていてだれることはありません。その他の曲もしっかりまとまっています。奔放さと繊細な部分が上手くバランスをとっているんですね。
国内盤のライナーで松山晋也氏も触れているように、ミキシングにミック・クロソップ(ザッパやヴァン・モリソンなどを手がけた名匠)を起用したことも本作の成功の要因でしょう。しかしそのようなことを知らなくても、とにかく聴いていて楽しいアルバムになっています。そこが彼等の素晴らしいところ。国内盤に付いているDVDに収録されたライヴ映像を見れば、彼等の個性がよりストレートに伝わってきます。