山下達郎「MOONGLOW」

MOONGLOW (ムーングロウ)

もうすぐ新作が出る山下達郎。とはいえ本当に彼の音楽を楽しめたのは「僕の中の少年」までというのが正直なところなのですが・・・・。「アルチザン」以降の作品は出たとたんから煮詰まっているように感じてしまうのです。
それはさておき、このアルバムは「ライド・オン・タイム」でブレイクする直前に出た、７９年作品。新レーベル「ＡＩＲ」の第１弾としてリリースされました。ソウル・ミュージックをベースとしながらも、ＡＯＲ色の濃いスムーズなサウンドが特徴。「RAINY WALK」では高橋幸宏・細野晴臣のＹＭＯ組がリズム隊として参加しているのですが、当然のことながらテクノ・ポップ色など感じさせず、純粋にプレイヤーとして起用しているのが達郎らしいところ。久々に聴き返したのですが、アルバムを通して派手な曲は少ないものの、未だにある種の瑞々しさを感じさせるし、このアルバムで私の一番のお気に入り「愛を描いて―Let's Kiss The Sun―」を聴いていると 達郎の曲には吉田美奈子の歌詞こそが最もふさわしいものだ、ということを改めて感じました。ＲＶＣ時代の山下達郎の音楽には清新な魅力と躍動感が溢れています。