CAN「モンスター・ムーヴィー」

Monster Movie

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ついに出たCANの紙ジャケ。とりあえずこれと「タゴ・マゴ」は買いました。1969年発表の1stです。
何をさしおいても強烈に印象に残るのがマルコム・ムーニーのヴォーカルで、12時間に及ぶセッションを編集したという大曲「ユー・ドゥー・ライト」はもちろん、その他の曲でも呪文と音楽の間を往来するかのようなパフォーマンスを展開しています。そのパフォーマンスが聴衆を意識してのものとは思われないところが大きな特徴で、自己の発する言葉に触発され、さらにエスカレートしていくさまには、やはり狂気じみたところを感じずにはいられません。このとてつもないヴォーカルに対して演奏陣は一歩引きつつも時にはぐっと切り込む対応で応戦。まさに不即不離という言葉がふさわしいように思えます。後年、ホルガー・シューカイが自らのソロ・アルバムを「ムーヴィーズ」と名づけたとき、きっとこのアルバムのことが念頭にあったのでしょうね。