ルーファス・ウェインライト「ウォント・トゥー」(asin:B0007OE16S)

久しぶりに聴いたらものすごいことになっていたルーファス・ウェインライトの新作。MUSIC MAGAZINE誌4月号のレビューを読んでみると、安田謙一氏は彼のヴォーカルをニルソンと大滝詠一の名を引き合いに出して語り、渡辺亨氏はサウンド面について「細野晴臣+ビョーク+美輪明宏的と口走りたくなる」と評しているのですが、驚きなのは実際に聴いてみるとこれらの言葉が誇張ではないことに気づかされることです。ジャケットで眠り姫に扮したり、「ゲイ・ミサイア」なんて曲を堂々と歌ってしまうのですが、その世界観にたじろぐ人をもねじふせる官能的なヴォーカルの説得力と色鮮やかなサウンドには圧倒されるばかり。キリスト教のミサの一部である「アニュス・デイ」に思いっきりアラビックなメロディをつけて歌ったりと、ただ耽美なだけではなく危険な香りも放っています。これぞ21世紀のバーバンク・サウンド!?