後藤真希「3rdステーション」

3rd ステーション

3rd ステーション

大の後藤真希ファンとして有名な芥川賞作家・阿部和重によると世界の3大奇跡とはファティマの奇跡、キンシャサの奇跡、そして「江戸川の奇跡」となるそうな(情報元:雑誌「eyescream」。最新号には対談も掲載されている)。そこまでの絶賛とはいかないまでも、今度のアルバムは過去2枚よりもかなりいい感じで楽しめた1枚です。
カヒミ・カリィばりのウイスパー・ヴォイスで全編通した冒頭の「エキゾなDISCO」がまずは聴きもの。カヒミ・カリィは最近大友良英・ニュー・ジャズ・アンサンブルへ加入したそうですが、ならごっちんはDCPRGへ入っちゃえ!パワフルな歌唱もいけるし、くらいのことは思わせてくれます(スパンク・ハッピーに加入というのはなんかイヤ)。まあそれはともかく、ライヴが乗っている人だけあって、どの曲にもどこかしら歌に勢いを感じるのが何よりの魅力。「渡良瀬橋」は個人的には松浦や森高もしのぐ魅力を感じます。歌に描かれた風景を一番感じさせるんですね。「恋愛戦隊シツレンジャー」のソロ・ヴァージョンもはじめからソロ・ナンバーとして用意されてたかのような堂々たる歌いっぷりが見事。いい意味で重さを感じさせない彼女のポップな魅力をこれまで以上に伝えてくれるアルバムです。