スティーヴィー・ワンダー「想い出のクリスマス」

Someday at Christmas

Someday at Christmas

最近DVDで「永遠のモータウン」を観たり、フリー・ソウルのコンピレーションを購入したりと、にわかにモータウン熱が高まっております。ただ私の場合、70年代以降はあまりよくわからないんですけどね。マーヴィン・ゲイしかり、今回取り上げたスティーヴィー・ワンダーしかり、70年代になるとレーベル・カラーよりも個々の個性がサウンドにも反映してくるんで、あまり“モータウン”を聴いているという気がしないんです。ボーイズⅡメンもデビューはモータウンだったなんて、最近になってようやく知りましたよ。
それはともかく、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ、シュープリームス(私が一番好きなモータウンのスターは彼女達。ミーハーなんです)、テンプテーションズなどなど、モータウンのスター達はそれぞれクリスマス・アルバムを発表しています。一番有名なのはジャクソン・ファイヴのアルバムでしょうか。これは今でもよく店頭で見ますものね。他のアーティストのはなぜかあまり見かけないんだよなあ。まあ、最近めっきりソウルのコーナーをのぞかなくなっちゃった私の書くことなんで、あまりあてにはならないのですが、このスティーヴィー・ワンダーのアルバムも最近は滅多に見かけなくなったと思います。確かに若き日のスティーヴィーにしてはちょっとかしこまってる感じがするのですね。全12曲のうち、オリジナル・ナンバーが7曲を占めるのですが、どれもモータウンのスタッフによるものでスティーヴィー自身の手による曲が皆無というのも、今から見ると物足りなく思えます。その辺りがスティーヴィーのアルバム群の中でも今ひとつ影が薄いように感じる原因でしょうか。とはいえ、もちろんつまらないアルバムではなく、スティーヴィーの、ややかしこまっているとはいえ、堂々とした歌唱は見事だし、彼のハーモニカにはちょっと聴こえてきただけで、あっという間に聴く者を惹きつける魔法が潜んでいます。やはりスティーヴィーはスティーヴィーなのでありました。
ところで新作はいつ出るのでしょうか・・・。