The John Renbourn Group「A Maid In Bedlam」

Maid in Bedlam

Maid in Bedlam

77年発表。ペンタングルの2大ギタリストの一人、ジョン・レンボーンが結成したグループの1st。ジャッキー・マクシーも参加しております。ジャケットを見れば一目瞭然のトラッド路線ですが、ペンタングルのような緊張感はなく、軽やかな演奏とコーラスが心地よくてリラックスして聴けます。取り上げている曲も、「Black Waterside」、「John Barleycorn」、「My Johnny Was A Shoemaker」などあちこちで取り上げられている(ロック・ファンにはトラフィックもカヴァーした「John Barleycorn」が最も有名かな?)曲が多くて親しみやすい。とはいえ、かつてペンタングルにシタールを持ち込んだレンボーンのこと、ここでもグループのメンバーにタブラ奏者を起用しているところがミソで、ブリティッシュ・トラッドを演奏しているのにしばしばインドやアラビックな響きが出てくるところが聴きどころです。案外、レンボーンはトラッドに対して、昨日取り上げた坂本龍一と似たような意識を抱いていたのかも。軽さの中に単なるトラッド礼賛に終わらない批評意識が透けてみえます。