アーニー・グレアム「アーニー・グレアム」

アーニー・グレアム

ベルファスト出身のシンガー・ソングライター、1971年発表の唯一のソロ・アルバム。ブリンズリー・シュオーツの面々が参加して、ほっこりとした演奏でアーニーの歌を好サポート。アーニーの声は曲によってはボブ・ディランを甘くしたように感じられるので、70年代前半のディランが好きな人にお勧めできます。いや、そうでない人にもこの音楽は訴えてくるものがあるでしょう。アコースティック・ギターの響きが魅力的な冒頭の「セバスティアン」、波のSEが物悲しさを引き立たせる「シー・フィーヴァー」、おおらかなカントリー・ロック「ザ・ガール・ターンド・ザ・レヴァー」、オルガンがいい味出している「ドント・ウォント・ミー・ラウンド・ユー」など良い曲揃い。全般的にアメリカン・ロック志向なのですが、最後に収められた「ベルファスト」は、情熱的なフィドルがアーニー本来のルーツである、ケルトの世界へ聴き手を導いていきます。いつまでも聴き続けられる素晴らしい名盤ですね。