菊地成孔「歌舞伎町のミッドナイト・フットボール  世界の9年間と、新宿コマ劇場の6日間」

彼が記した3つの傑作「ミスタードーナッツシュトックハウゼン」「肉声」「クールホイップ星の陰惨でなめらかな四万年戦争とその甘い終結」が一冊で読めてしまう、たいへんお買い得な書物。もちろんその他の文章も面白いことこのうえない。饒舌の中にところどころグッとくる部分があるんです。

キミが辛く、行き詰った時、迷ったときにキミを救出するのは、イマジネーションとフィロソフィーだけだ。だから、海から塩を採るように、イマジネーションとフィロソフィーを湛えたプールを持っていないといけない。
(「肉声」より)