ジョルジュ・アペルギス室内楽作品展 at HAKUJU HALL

アペルギス2連荘。今日は室内楽作品の演奏会。2部構成で、第2部の前に作曲者本人の解説がありました。


今回演奏された曲目は、

1)バスクラリネットのための《シミュラークルⅣ》演奏者:山根孝司
2)クラリネットとチェロとピアノのための《トリオ》演奏者:山根孝司(cl)、植木昭雄(cello)、稲垣聡(pf)
3)ひとりの打楽器奏者とザルブの音のための《格闘》演奏者:フランソワーズ・リヴァラン


ここで一旦休憩が入り


4)ソプラノ、アコーディオン、打楽器奏者のための《ティンゲル・タンゲル》演奏者:ヴァレリー・フィリピン(sop)、フランソワーズ・リヴァラン(per)、フレデリック・ダヴェリオ(aco


といったものでした。
1)はバスクラの豊かな中・低音の響きが印象的。
2)はチェロがやや線が細い印象を受けましたが、特に気になるほどではなく。ピアノの深い鳴りが気持ちよかったです。
3)は本日の白眉でした。ヴォイス・パーカッションやラップに近い早口のナレーションを交えながら、イランの打楽器ザルブを抱えて熱演する様はまさに格闘。演劇的要素もある曲なので、見ごたえ、聴き応えがありました。
4)のタイトルは安っぽい大衆酒場の意。アコーディオンがそれとなく酒場らしさを醸し出すのに一役買っていました。主にツィンバロン(ハンガリーの民族楽器)を操ったフランソワーズ・リヴァランはここでもサポート・ヴォーカルをつとめ、今日、最も活躍した人といえるでしょう。今度この人のソロ・コンサートがあればぜひ見に行きたいと思います。2日間、新鮮な音楽体験ができました。


会場への行き帰りの電車内で読了した本