The Langley Schools Music Project 「Innocence & Despair」(ASIN:B00005Q6NP)

まさしくリアル「スクール・オブ・ロック」。70年代のカナダの小学生が、音楽教育の一環として本当にロックの名曲を歌い、演奏してしまったアルバムです。いきなりウイングス「ヴィーナス・アンド・マース/ロック・ショウ」から始まり、「グッド・ヴァイブレーション」「神のみぞ知る」のビーチ・ボーイズ2連発。そして「スペース・オディッテイ」が続くという、すごい選曲。以下、ポール・マッカートニービーチ・ボーイズの曲を中心に、ベイ・シティ・ローラーズイーグルスなども交えた内容なんです。歌も演奏もまあ、「学芸会」の域を出るものではありません。録音もあんまり良くないし。けれども・・・いいんだなあ、なんともいえず。相性がいいと思われるのはビーチ・ボーイズ・ナンバーで、背伸びしている感じがあまりしません。さすがブライアン・ウィルソン、「神に捧げるティーンエイジ・シンフォニー」をかつて目指しただけのことはあります。しかし、アルバム中、群を抜いて素晴らしいのは、Sheila Behmanという少女がソロで歌っている「デスペラード」。この曲のもつ哀しさが最もストレートに表現された、本家イーグルスカーペンターズを超える出来栄えで、この1曲だけのために購入する価値ありです。