菊地成孔「デギュスタシオン・ア・ジャズ」(ASIN:B0001N1R26)

デギュスタシオン

「僕が跪く神はやはり偉大なる黒い太陽に照らされたジャズだけだ」菊地成孔

最初に不満をひとつ。DVDのダブ・クインテットの演奏、あまりダビーじゃなくて残念。実際はどうなんだろうか。ライブとても見たいです。


さて、松岡正剛は「21世紀は主題ではなく、方法の時代」と語っていますが、これはその言葉を立証したかのようなアルバムです。およそ1〜2分程度の曲が41曲。以前にもここでとりあげたことのある、レジデンツ「コマーシャル・アルバム」やジョン・ゾーンのネイキッド・シティなどを思わせますが、味わいは全く異なるもの。様々な形式をとった曲が次々と立ち現れますが、一貫しているのはどこかクールな佇まい。菊地本人のサックスはもちろんですが、私はこの人の声が結構好き。ラストの「ラス・メイヤー聞いてくれ」がいいです。そんなこんなをひっくるめて、これぞ菊地版「私の考えるジャズ」。次はどんな手を打ってくるのか早くも楽しみです。