Pentangle「Cruel Sister」(ASIN:B00005AFO0)

ペンタングル

フェアポート・コンヴェンションが紙ジャケになったのだから、この人達も紙ジャケ・リマスターになって欲しいですね。ブリティッシュ・フォーク・ロックを代表するバンドの4作目です。
バート・ヤンシュ、ジョン・レンボーンという2人の優れたギタリストを擁し、その他のメンバーも優れたプレーヤーなので、非常に高度なアンサンブルが展開されています。とはいえ、激しいインタープレイの応酬があったり、長大なソロがあるわけではなく、一種のストイシズムすら感じさせる演奏。だけど常に一定の緊張感が支配していて聴く者をひきつけずにいられません。この点、音楽性はまるで違うけど、スティーリー・ダンを思わせるところもあります。
このアルバムは、彼等の作品の中でも最もトラッドに接近したものとして知られています。アルバム後半は18分におよぶ大曲だったり、歌詞もかなりドラマティックなものがあるのですが、ジャッキー・マクシーの美しいヴォーカルは感情移入を押さえたクールな歌唱。それでも味気なさは感じません。聴きこむごとにじわじわと味がでるスルメ的名盤です。