V.A「黄金のニューリズム50's - 60's」(ASIN:B00005GX48)

めざましテレビ」が氷川きよしのドドンパを取り上げて「ドドンパ」って何だという特集をやってました。そこで登場した「東京ドドンパ娘」(渡辺マリ)を収録している、昭和30年代に流行したリズム歌謡の代表曲を集めたアンソロジーです。
ライナーノーツに「ワールド・ミュージックとしての昭和30年代歌謡曲」とある通り、マンボ、チャチャチャ、パチャンガ、ツイスト、タムレ・・・・と、海外の流行を取り入れたものから、和製のリズムに至るまで、たっぷり23曲が詰め込まれたこのアンソロジーを聴いていると、ロックが登場してポップスは却って不自由になったんじゃないかとさえ思ってしまいます。どの曲にものびのびとした、おおらかな空気が感じられるんですね。
お気に入りの曲についていくつか感想を書くと、まず冒頭の雪村いづみ「マンボ・イタリアーノ」は迫力ある歌唱もさることながら、間奏のスティール・ギター(?)がアグレッシヴ。続くトニー谷の軽妙な語り口は楽しいけど、「ブクブク・マンボ」を入れて欲しかったな。「東京ドドンパ娘」の大らかさはいつ聴いてもいい感じです。タムレものが2曲あるけど、クレイジー・キャッツ「愛してタムレ」が無いのは残念。田辺靖雄中尾ミエのデュエット「GO!GO!レンタカー」は元気ハツラツとした歌唱ですが、マイカーじゃないところが微笑ましいです。後半の橋幸夫3曲(「あの娘と僕」「ネエ、君、君」「恋のメキシカンロック」)がやはりこのアルバムの目玉か。振り幅の大きい歌手だったんですねえ。しかし個性ある節回し。聴いていると「♪潮来のい〜たろぉおお」や「♪むひょぉおお〜」のフレーズも一緒に頭の中に流れてきます。