ケイト・セント・ジョン「セカンド・サイト」(ASIN:B0000057OR)

セレクトで選んだヴァージニア・アストレイとバンドを組んでいたこともあるケイト・セント・ジョン。彼女が有名になったのはその後に参加したドリーム・アカデミーですね。私はドリーム・アカデミーのジャケットを見て、きっとこの女の子が歌ってるに違いない!と期待して聴いて思い切り落胆した過去があります(笑)。いや、いい曲歌うバンドだったんですけどね。
その後彼女の名前を見かけたのはヴァン・モリソンのアルバムでした。そこでサックスやオーボエを担当してたんですね。ヴァン・モリソンが起用するんだからいい演奏家なんだなと、ここでようやく歌わないことに納得しました。他にもエヴリシング・バット・ザ・ガールティアーズ・フォー・フィアーズのアルバムにも参加してましたし。・・・というわけで95年に1stソロ「夜のいたずら」でシンガーとしての彼女に接したときは驚きましたねえ。しかもこちらが勝手に想像していたイメージを裏切らない品のある、優しい声だったからたまりません。あっというまに夢中になってしまいました。彼女に歌うことを勧めたのはブライアン・イーノの弟であるロジャー・イーノ。感謝ですね。彼のピアノもケイトのアルバムで活躍しております。
「セカンド・サイト」は1stの2年後に届けられた2ndアルバム。プロデューサーには前作に続き、ジョセフ・ラカイユ。エクトル・ザズーと共にZNRで活躍した人です。洗練された音にも、ちょっとアヴァンギャルドな音にも対応できる見事な人選ですね。1stで展開された室内楽サウンドの完成度がさらに高まり、弦楽五重奏をバックにする曲や、シャンソン調の曲やテックス・メックス風の曲まで出てきますが、全体の印象はあくまでも優雅。もちろんケイトはヴォーカルのみならず、オーボエでも美しい演奏を聴かせてくれます。ジャケットやブックレットでのフォトグラフも知的で美しく、これぞ見て良し、聴いてよしの素敵なアルバム。