ASANA「KUPU KUPU」

kupukupu

名古屋に住むようになっておよそ一年半になりますが、移って来たばかりの頃、ご当地ものでも聴いてみようかと、軽い気持ちでジャケットが気に入ったものを名古屋出身アーティスト・コーナーから選んで購入したら、大当たりだった一枚です。
ASANAとは名古屋在住の浅野裕介を中心としたユニット。このアルバムは2002年の暮れに発売されたものです。使われている楽器は非常に多彩で、ギター、ベース、ドラムといった通常の楽器はもちろん、トランペット、フリューゲルホーン、フルート、サックスなどの管楽器類、ガムランシタールカリンバ等の民族楽器に、アナログ・シンセ各種といった具合。これらがぎっしりと詰まっているようであれば息苦しくなってしまうでしょうが、どの楽器もアンビエンスを重視した空間の中でたっぷりと歌っており、ひとつひとつの楽器の音が非常に美しく響いているのがこの音楽の大きな美点です。牧歌的なメロディと、ガムラン、ガット・ギターの響きの心地よさは、小音量でかけると就寝前に聴くのにぴったりなのですが、ヴォリュームを上げるとリズムやアンサンブルの実験的な面も浮かび上がってきます。様々な民俗音楽の要素とクラブ・ミュージックを通過したビート、音響派にも通ずる音色感覚が品良く溶け込んでいるのです。気持ちいいですよ。
ライブの評判も高い彼らですが、残念ながらまだ行ったことがありません。名古屋に住んでいるうちに体験してみたいですね。


ASANAのHPはこちら↓

http://www.spice.or.jp/~jajouka/index.html